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この時計は私にとって特別な意味を持ちます。
もしジェラルドジェンタがいなかったら、私はこれほどまで時計に没頭していなかったと思います。ジェラルドジェンタがデザインをした数々の傑作があったからこそ、時計への興味が持続していたのは間違いありません。
ジェラルドジェンタのデザインは、所謂デザイナーのデザインではなく、画家としてのデザインであると言えます。その為、一般的な時計デザインと大きく異なり、直ぐには認められ難い部分もあるのです。ただ、ジェラルドジェンタのデザインは全て彼の手から産み出されており、例え奇抜なデザインに見えたとしても、背後に彼のイメージしたものがあるので、まるで生き物のように温かみを感じるのです。
●一般に、SSブレス一体型のデザインが名作とされています。 Gerald Genta's designs in 2009 ロイヤルオークの原型は、ロレックスのオイスタークオーツであるという説もあります。 A Note on the Oysterquartz Case Design しかし、オイスタークオーツ自体、ジェンタデザインの可能性も否定できません。 ジェンタは、ロレックスにキング・マイダスをデザインしているからです。 飽商909の"ナローな"時計部屋 : オイスター・クォーツの逆襲! オイスタークォーツ デイトジャスト - 販売取扱商品 | 質屋の楠本商店
●ジェンタデザインは、多種多様ですが、共通点があり、大まかに分類することが出来ます。
ケース形状については、丸型を除けば、
1.オーバル型(コンステレーション、ホワイトシャドー、ルネッサンス、A-エヴォリューション) 2.オクタゴン型(ジェラルドジェンタ、ロイヤルオーク)
が多く、ラグ部分については、
1.ブレス一体型(ロイヤルオーク、ノーチラス、インヂュニア、222、クレドールファースト、ロレアート、サンモリッツ) 2.直ラグ型(ダヴィンチ、パシャ、ジェラルドジェンタ)
が多いです。 その他、針・インデックスの形状、ベゼル上のビス・凹凸・刻印等に特徴・共通点があります。
※パテックフィリップのアクアノートはジェンタデザインではないです。 ※パシャも初代の年代を考慮すると、ジェンタデザインではないと思われます。恐らく、ジェンタはリニューアルしただけではないでしょうか。
●ジェラルドジェンタ時代に残したデザインは、ピエールミッシェルゴレイ師の複雑なムーブメントと相まって、一つのある境地に達したものがあります。一般的評価としても、他社ブランドの時計を除けば、この時期の時計の評価が最も高いでしょう。
しかし、ジェラルドチャールズとして発表したデザインのうち、アントワーヌプレジウソとコラボレートしたトゥールビヨンやスライディングアワー、トゥルボのモデルは、ジェラルドジェンタ時代より更に一歩踏み込んだデザインがされており、数十年後、高い評価がなされると思います。既に、カルティエがバロンブルーという名作により、ジェラルドチャールズ時代の手法の応用を成功させています。
●参考文献 The Book of GeraldCharles History - Gérald Genta - Partner Brands - Players - Fondation de la Haute Horlogerie Vacheron Constantin 222 Review - The Hour Lounge - the Vacheron Constantin Forum Happy New Year!! sharing my last report for the year - Luxury Watches Forums - Horomundi
※ジェラルドチャールズでの活動が落ち着いたと思ったら、また新たなプロジェクトに乗り出したようです。 CONFRÉRIE HORLOGÈRE - Genta the Maestro + Mathias Buttet = An “explosive” tandem これからも我々を楽しませてくれると信じています。
ジェラルドジェンタ名義又はジェラルドチャールズ名義での作品の中に最もジェラルドジェンタが表現したかったデザインがあるのは事実だと思います。しかし、それらの多くはあまりに個性が強過ぎて、日常的に使用するのは少々難しいものもあります。しかし、個人名義ではなく、他のメーカーへデザインされたものは、メーカーからの制約があったのか、ジェラルドジェンタの個性が表現されつつも日常的使用に馴染むような、デザインと実用が高度なレベルでバランスがとれている傑作があります。その中でも、原点であり、かつ、最高傑作であるのがロイヤルオークなのです。
歴史に名を残すような偉大な人物に会ったことは数少ないですが、2005年と2006年に2回ジェラルドジェンタに会えたことは私の人生の宝物です。ジェラルドジェンタは1931年に生まれましたので、今年80歳になります。なかなか時間が取れませんが、今年このロイヤルオークを着けて、ジェラルドジェンタが住んでいるモナコへ行けたら本望です。
これは、2005年にジェラルドジェンタが来日した際に描いて頂いたロレックスのキングマイダスです。
これは、私のイニシャルをモチーフにして秒針をデザインして頂いたものです。 資金に余裕があったなら、オリジナルデザインの時計を制作して頂くことも可能だったのですが・・・。 実際、オーダーされたジェンタファンもおられたようです。 ジェラルド・ジェンタ氏の手による世界で唯一のオートクチュール時計
ここまで辿り着くのに10年かかりました。
何故この時計を買うのに10年もかかったのか、述べてみたいと思います。
先ず、10年前、記念時計としてピアジェのアップストリームを購入しました。アップストリームは、ご存知の通り、ロイヤルオークのオマージュとも言えるSSブレス時計であり、デザインは異なるものの、手法は似通っている時計です。この時点で、アップストリームを持ちながらロイヤルオークを手にするのは贅沢かと考えました。かと言って、アップストリームは記念時計ですので、手放すことは考えられません。
しかし、ロイヤルオークへの憧れは消えることはありませんでした。
当時、ロイヤルオークの標準サイズであったミディアム15000STも勿論実物を手に取りました。しかし、バーインデックスが短いことが購入の足かせとなりました。また、ジャンボサイズも今よりも中古は流通していたように思います。ただ、タイミングが合わなかったのだと思います。
そして、待ちに待った自社ムーブ搭載で39mmのオリジナルサイズとなった15300STが発売されました。大変期待をして、買う気満々でお店へ向かいましたが、ロイヤルオーク特有のラグの浮き問題がネックとなり、購入を見送りました。
その後しばらくロイヤルオークから興味が遠ざかることになります。
何故またロイヤルオーク熱が復活したのか振り返ってみると、たまたま寄ったお店で、ロイヤルオーク15300ST黒文字盤の中古を手に乗せてしまったことが事の始まりでした。残念ながら、その個体はコマが不足していて購入は諦めましたが、以前気になっていたラグの浮き問題が解消されていたように感じました。これは自分の腕でも行けそうだと思ったのです。
そして、先日ホッシーさんがロイヤルオーク青文字盤をご購入された事も引き金の一つとなりました。このことが関係しているのか分かりませんが、この後、都内でめっきり青文字盤が姿を消しました。
実質行動したのが昨日と今日の2日間でしたが、何とか青文字盤を見付け、購入に至った次第です。
先日パネライを購入したばかりで、我ながら酷いペースだとも思いますが、実は、最大の引き金がパネライの購入だった訳です。10年振りにルミノールベースを購入してみて、本当に自分が欲しい時計、必要としている時計、手に入れなければならない時計が浮き彫りになってきたのです。
私事で恐縮ですが、今年の年末に40歳になるので、年末へ向けてじっくり40歳記念時計を検討していこうと思っていた矢先でした。半年も早い記念時計となってしまいましたが、鉄は熱いうちに打てという私の座右の銘に従ったことは、正しかったと思っています。少なくとも、この夏から使用できることは大きなメリットですから。
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