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Favre Brandt
このブログではラング&ハイネに限定して書いてきましたが、先日ファブル・ブラント(Favre Brandt)という商社の懐中時計を入手しましたので、ご紹介します。

favre3.jpg


ローマ数字のシンプルなダブルサンク琺瑯文字盤で、ハンドはスチール製のブレゲ針で、青色になる一歩手前で焼きを止めた紫色です。

favre1.jpg


ケースは18Kの金張り、脱進機はムスターシュアンクル式、ブリッジはジャーマンシルバーのような独特の色、歯車・シャトン金無垢かどうか分かりませんが銅のような色で、独特の雰囲気をムーブメント全体が醸し出しています。

favre2.jpg


商館時計について、「ポケット・ウォッチ物語」から引用します。

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明治のころ、日本の貿易は外国人商社に独占されていた。これらの商社――当時は商館とよんだ――が輸入するポケット・ウォッチの九〇%はスイス製、五%がアメリカ製、残りがイギリス、フランスなどであった。

一八九七(明治三〇)年ごろ、アメリカでは工場生産が確立しており、時計にはウォルサム、エルジンなどのメーカー名が彫りこんであった。しかしスイスでは、家内工業を土台にした小経営が中心だったから、商館の注文に応じて、日本向きのマークを入れ、商館の名前を日本語で入れて売った。こういうスイス製の時計を「商館時計」という。つまり、明治期に輸入されたスイス製の時計である。当時、九〇%を占めた商館時計こそが、明治期を代表する典型的なポケット・ウォッチである。

商館時計は大体が〇.八〇〇の銀側、鍵捲きもあるが多くはダボ押し、ローマ数字のダイアル、スモール・セコンドつき。一五石程度。中蓋がガラスで機械の動きが見える。直系五.二cmから五.八cmぐらい。脱進機はシリンダー式かアンクル式。商館の数は入れかわりがあるが、二〇社から三〇社、マークの種類はその二倍を越えたろう。

値段もそう高くなくて、コレクションの対象をして多くの人が手掛ける面白さがある。ただ、中蓋のガラスと枠がなくなっているものが少なくない。当然、値段は下がるはずなのに、知らん顔して売る店もあるから、注意して見る必要がある。


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